分数の割り算、いまだに謎な計算なのよねー
分数の割り算は割られる数の分子と分母を入れ替えて掛け算する、という解き方(テクニック)がありますが、この本質を理解していないと「よくわからない」ままになるんですよねー。
そりゃ謎のまま放置されますよ。。
問題を解く方法は教えられても、問題そのものが何を言わんとしているのかについて考えてみましょう。
目次
割り算とはなんぞや
そもそも割り算とは何か、Wikipediaにはこう記載されています。
除法(じょほう、英: division)とは、乗法の逆演算であり四則演算のひとつに数えられる二項演算の一種である。除算、割り算とも呼ばれる。
除法は ÷ や /, % といった記号を用いて表される。除算する 2 つの数のうち一方の項を被除数 (英: dividend) と呼び、他方を除数 (英: divisor) と呼ぶ。有理数の除法について、その演算結果は被除数と除数の比を与え、分数を用いて表すことができる。このとき被除数は分子 (英: numerator)、除数は分母 (英: denominator) に対応する。被除数と除数は、被除数の右側に除数を置いて以下のように表現される。
はい、もう読む気もしなくなったかと思いますが、お待ちください。
同じWikipediaのページに以下のような図解があります。
20 ÷ 4 = 5
20 が割られる数、4 が割る数、5 が割り算の答えになります。
Wikipediaでは「割る数」で等分配した時のそれぞれのグループのリンゴの数=答えと書いていますが、これは少しわかりにくいと思います。
そこでもっと言い方を変えてみたいと思います。例えばこのように考えるのはいかがでしょう。
20の中に 4が 何個あるか?
こう考えると4が何個で20個になるかを考えるようになり、九九を思い出すわけです。
4 × 1 = 4
4 × 2 = 8
4 × 3 = 12
4 × 4 = 16
4 × 5 = 20
なるほど、4が5つあると20になりますね。
これを踏まえて分数の割り算を考えましょう。
分数の割り算をどう考えるべきか?
基本的には同じです。
割り算とは「割られる数の中に割る数がいくつあるか?」です。
ひとつ問題を解いてみましょう。
3/4 ÷ 1/2
学校で教わったテクニックだと「1/2の逆数(分子と分母を入れ替えた数)である 2/1 で 3/4 をかける(乗算する)」というものです。
よって 3/4 × 2 = 6/4 = 3/2 = 1.5 です。
ただ、この数式の意味するところは
3/4 の中に 1/2 が何個あるか?
です。ちょっとイメージしてみましょう。
1/2=2/4、 3/4 = 2/4 + 1/4 ですので
3/4 の中には 1/2 が1.5個あるわけです。
もう一つ例を出します。
1/2 の中に 1/2 は何個ありますか?
答えは簡単、1個ですね。
つまり 1/2 ÷ 1/2 = 1 となります。
「÷」に対する解釈を変えるだけでイメージのしやすさが変わってくるというのが理解できたかと思います。
なぜ分数の割り算がわかりにくいか?
この分数の割り算がイメージしにくい根本にあるのは、分数に入る前の整数の割り算に対する入り方に問題があると思います。
Wikipediaの図に戻りましょう。
20 ÷ 4 = 5
りんご20個を4つに等配分したとき、それぞれのグループにはりんごが5個ある
小学校ではこんなふうに習っていたかと思います。
りんご20個を4人で分けた時、1人あたり5個もらえる
高校数学まで行くとわかると思いますが、割り算の使いどころが「割られる数あたりいくつになるか」という目的で使用されるため、この発想自体は正しいです。
しかしこの例え話で分数の割り算に入ると話がややこしくなります。前述した 3/4 ÷ 1/2 をこの例え話に当てはめると
りんご 3/4 個を 1/2 人で分けた時、1人あたり1.5個もらえる
もう話が非現実的ですよね。
「1/2人って何?」
「答えが割られる数である3/4よりも大きな1.5になるのはなぜ?」
等の心の叫びが聞こえてくるのは当然です。
そこでこう解釈してみてはどうでしょう?
りんご 3/4 個は りんご 1/2個が、1.5倍になったもの
現実的にイメージしやすいかと思います。
まとめ
割り算をどう解釈するかの答えは1つではないはずです。
その解釈がどうしても納得いかないのであれば、自分にあった解釈も追加しちゃっても良いんです。
数学はもっとも自由な科目とも言われています。もっと自由に楽しみましょう。