基本的にいつも鼻が詰まっていて、声もよく「こもっている」と言われてはや数十年。
気がつけば「副鼻腔炎」や「寒暖差アレルギー」と診断され、薬を処方して治ってきたかと思ったらぶり返し、また診察して処方してもらって治ったと思ったら気がついたらぶり返すを繰り返してきました。
何度か鼻に突っ込んだカメラで目視した「ポリープ」もかなり大きい存在になり、いつしか鼻の奥にあるポリープの一部が垂れてきて喉に当たって咳払いするという事が増えてた時、医師から「そろそろ薬ではなく手術の方がベターと言えるかも」と言われました。
正直あまり気乗りはしなかったものの、人生100年を見据えた場合、悪いものは早めに治しといた方が良いかもと考えるようになり手術することを決めました。
同じように副鼻腔炎に苦しむ人や手術を受けるか迷っている人の参考になればと思い、今回の私の経験を備忘録として本記事にまとめます。
目次
プロローグ
はじまりは「気圧」
雨が降る日、それは頭痛がする日。
気圧の変化に弱く、特に台風前には激しい頭痛に悩まされていました。
- 気圧の変化
- 内耳にある気圧センサーが察知
- 交感神経(興奮モード)と副交感神経(鎮静モード)のバランスが崩れる
- 自律神経が乱れる
- 頭痛がする
- くしゃみ、水のような鼻水が出る
こうした悪循環が長年続いていました。
この時の「鼻水」が私の鼻環境を少しずつ悪化させる要因で、とある日に耳鼻咽喉科に行くと「ポリープができてる」と。
まだ小さいので飲み薬を中心に治療しましょうということになりました。
薬の効果は絶大で、飲むとすぐに症状が緩和されましたが、また数ヶ月経って季節の変わり目や台風の時期になると頭痛とくしゃみと鼻水大洪水が発生してしまい、再び診察と薬の処方をお願いするというサイクルが数年続きました。
- 季節の変わり目
- 頭痛・くしゃみ・鼻水
- たまらず通院
- 薬処方。鎮静。
- 1.に戻る
悪化する鼻、嗅覚の危機
その数年の間、徐々に状態は悪化し、ついにはポリープの一部が喉に落ちてきて何度も咳払いをしてしまうまでに至りました。
特にコロナ禍においては「咳をしている」事自体が白目で見られやすいので非常に困りました。
いや、この咳は風邪でもコロナでもなく副鼻腔炎の関係で、と逐一説明する訳にもいかず、外出自体が億劫になってきました。
それからまた1年くらいしてからのこと。
例によって季節の変わり目→頭痛と鼻水→耳鼻咽喉科に行ったところ「ポリープがだいぶ大きくなってきてる、CTスキャンを撮ってみましょう」と言われ、CTスキャンを撮ってみたところポリープが嗅覚機能の近くまで迫っている事が判明。
確かに最近臭いに疎いところはあったかも、なんて呑気に過ごしているとこんな事件が。。。
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ある日晩ご飯を作っていたら子供から「美味しそうな臭いがするね、今日は焼き魚?」と言われたのです。
確かに魚をグリルで焼いてました。
そのグリルの前に私が立ってました。
その私が「焼き魚の臭い」に全く気付かなかったのです。
そこから2メートルくらい離れた子供にはハッキリとわかるにも関わらず。
正直驚きを隠せませんでした。
愕然としました。
そしてこれがキッカケとなり、私は本格的に副鼻腔炎の手術を受けようと思った次第です。
鼻腔の手術
手術前
アレルギー検査などを行い、特段異常値がないかの確認。
健康優良児であることを証明できたら手術内容についての軽い説明。
入院は5日間、手術前、手術当日、そして2日間の経過観察を経て術後3日目に退院という流れでした。
後々で痛感するのですが、この時に具体的なことをキチンといろいろ聞かなかったがためにちょっと辛い体験をする羽目になりました。。。(後述)
正直やるしかない状況になっていたため、他の選択肢を考えたり、このまま手術するとしてその直後やその後の過ごし方はどうなるのだろうかといった考えに至らなかったのが、今としては大きな反省点です。
少しでもそうした考えが及んでいればあんなに苦しい思いはしなかったのかも、、、と今更ですが、これを書きながら思う次第です。
「そのあとどうなるか?」
これはどんな選択肢を選ぶ際にも、たとえその選択肢しか自分にないと思っていても、想像すべきはその先。(自戒
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入院
朝早く病院に行って入院のための手続きを行う。
時期が時期だったのでPCR検査も受けて、それから受付。
書類や前払金などのもろもろ。
お昼前にようやく病室へ。
診察を受け、麻酔担当の方から説明を受ける。
持ってきた荷物を棚に入れたり整理したりして1日目終了。
翌日は手術。
入院すると分かっていても、病院という昨日とは異なる白い空間で寝るとなると、なんだか気持ちが落ち着かなかったのをおぼえています。
もしかしたら日頃から同じ枕や寝具を使うと、多少なりとも「いつものこれだ」という安心感が得られて良いのかもと、今更なことを思いながら静かに寝入ってました。
手術
当日のお昼過ぎ、手術用のおむつとストッキングと衣服を着る。
ストッキングはエコノミー症候群防止のために着用するとのこと。
看護師さんから手術直後の対応について伺う。
- 午前中の先約の方がいらっしゃるので私の手術はその後、よって午後になる模様。
- 術後3時間はベッドで横になっての経過観察。水も何も口にできない。
- 夕食が遅くなる可能性大。看護師さんが配膳してくれる。
- 術後は鼻の痛みもあり、鼻呼吸は無理で口呼吸
え?口呼吸?マジ?
そして手術。
全身麻酔して眠っている間に鼻腔のポリープ除去、ついでに鼻の形が元々微妙な巨大迷路だったので交通整備も実施。
記憶があるのは手術室に入って「はいー、楽にしてくださーい。」と言われて横になるところまで。
それ以降の記憶はない。
名前を呼ばれながら体を大きくゆすられて起きたのはその数時間後。
一瞬何が何だかわからなかったのだが「あ、手術が終わったのか」と思い出し安堵したのも束の間。
・・・鼻が塞がっている・・・
鼻の手術により大量の出血が生じる、その止血のために鼻の中でも大丈夫な数メートルのガーゼが鼻の中に突っ込まれていました。
またそのままにしてると鼻から血が出るので綿の鼻栓も突っ込まれてました。
なるほど鼻で呼吸したいけどそもそも無理な状況なのか。
朝いきなり起きたら鼻から息ができない状態でした、そんな感じに近いので非常に苦しかったのを覚えています。
経過観察のための数時間、、、、もう1分1秒がものすごい長く感じました。
とにかく苦しい。
口呼吸ってこんなに苦しいものだと初めて知りました。
しかも全身麻酔の影響で体温の調整能力が一時的に鈍くなっているためか、ひどく寒い。
寒いと余計に口呼吸が苦しく感じる。
辛い。とにかく辛い。
術後、経過観察のための3日間程度の入院
術後3日程度は入院して様子見。1日1回診察あり。
の経過は順調で、特段問題なし・・・・口呼吸による苦しさを除いては。
この3日間の確認事項(目標)は以下3つ。
- 出血がないこと
- 痛み止めで痛みが和らぐこと
- 38度以上の発熱がないこと
1日の流れは↓のような感じです。
- 起床、検温、朝食、診察、点滴
- 昼食、検温、点滴
- 夕食、検温、消灯
術後の発熱と出血について注視されているようで、ひたすらに検温。
合間合間に少し時間ができるのですが、フリーWiFiがあったので、iPadを持ち込んでゲームや読書で気分転換、たまに家族とChatしたりで暇をつぶしてました。
慣れない口呼吸に四苦八苦しながらも、なんとか数日持ち堪えた感じです。
退院
術後の経過は順調で、特段問題なし・・・・口呼吸による苦しさを除いては。
ということで退院。朝食後の検温と診察が終わったら退院の準備。
短いような長かったような入院生活が終わりました。
ただ、この後も自宅で鼻栓を含む体のケアや経過観察が続きます。
鼻栓
汚れたら交換。
帰宅後も鼻栓はするがbetterであってmustではない。
かさぶたが取れない=乾燥させないのが目的なので、マスクだけでも良い。
かさぶたはウェットな状態を維持しながら回復させるのが良いとのこと。
お風呂入る時は外して、お風呂上がりにまた着用。
外す時に鼻栓についた血の量を見ると、日を追うごとにその量が減っていくのが分かります。(回復してきてるんだなーっと実感できます)
就寝時は鼻栓をとってもよし。
食事
一番きついのは食事。
食べ物を口に運んで咀嚼している間はずっと息ができません。
食べてる間は息を止め、咀嚼が終わるかその途中で苦しくなったら咀嚼をやめ口から息を吸う。
苦しみながら食べる食事、美味しいはずもなく、楽しいはずもなく。
硬い食べ物や咀嚼回数が増えそうな食物はできるだけ避けて、おかゆや柔らかめのものをチョイスするのが良い気がします。
そういう意味ではスープが秀逸でした。
別になんでも良いとは思いますが、手抜き大好きなズボラな自分は通販でインスタントスープを買い漁りました。
口内環境
口呼吸のため口内がものすごく乾きやすい。そのため、口の中の潤いを保つため、お水を飲み続けました。
多分通常の3倍くらい、水を飲んでました。
定常的に摂取したくなるので家の中でも水筒を常用していました。
特にスタバとかで売ってるストロー付きタンブラーはすぐにお水を飲めて楽でした、おすすめ。
就寝中も口呼吸ですので寝ている間も口が渇くため、つけていてもあまり苦になりにくい布マスクをつけて就寝。
これは口が渇くのを防ぐのに非常に効果的だったと思います、おすすめ。
鼻うがい
鼻腔をきれいに保つ目的で、1日2回、鼻うがいを必ずすることに。
朝の出勤前と夜お風呂に入ってから、など出来るだけ間を空けるのが吉とのこと。
鼻うがいは「鼻サーレ」を勧められました。
実際に使ってみると確かに初心者にも使いやすい。
鼻うがいのために塩水を用いるのですが、塩は1パックずつ使い切りタイプなので軽量の必要もない上、ちょうど良い温度の温水ができるよう温度が見えるようになっている点もGood。
どの鼻うがいでもそうだと思いますが、鼻うがい後は強く鼻を噛むのはNGです。
ティッシュを添え、ゆっくりと少しずつ溜まったお水を出す感じで。
注意点
その他、日常生活において以下を注意する必要がありました。
- 血行が良くなり鼻のかさぶたが取れないよう注意
- 同じ理由で、お酒NG、お風呂入りすぎもNG
- 毎食後に必ず、口内の潤いを保つためのうがい薬でうがい。前述の通り、口呼吸って結構渇くので。
- 鼻の中のかさぶたが取れると血が大量に出て大変なことになるため、鼻の奥が乾燥しないように注意(ここが一番重要)
ちなみにうがい薬は「アズレンうがい薬」
コップに4,5滴いれて水100cc程度で薄めて使います。
その後
口呼吸に慣れ、鼻呼吸を忘れる
いやはや、慣れというのは怖い。
術後と入院中、四六時中苦しんだ口呼吸も術後1週間後にはだいぶ慣れてきて、多少の苦しさはあるものの大きな違和感を感じなくなりました。
とにかく今は体が回復するのをじっくり待つしかない。
そう思うと鼻の栓や鼻うがいや口呼吸もなんとかこなせるものでした。
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そして1週間が経過し、病院で診察。
- 鼻の掃除、薬を塗り、3メートルくらいの長いガーゼを鼻にどんどん押し込む(麻酔噴射してるため痛みなし)
- 30分ほど待合室で様子見。
- 30分後に再び診察室へ。
- ガーゼを抜き取る。(鼻からどんどんガーゼが出る、まるで手品みたい)
- 掃除や状況確認のための鼻カメラ、椅子を倒してさらに薬を塗って3分待ってから鼻の洗浄
晴れて鼻の栓とお別れ。(わーい)
ただ、診察直後に鼻から水が垂れてたので帰宅までは鼻に栓をしていただきました。
鼻の栓がはずれたのなら今日から鼻呼吸か!ということになるのですが、
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最初、鼻呼吸ってどうやるんだっけ?と本気で戸惑いました。(笑)
総括
以上が私が副鼻腔炎の手術を受けた時の内容になります。
あくまで1つの事例でしかないし、受診するお医者さんによってはまた違う形になるものもあるかと思いますがご参考になれば幸いです。